小千谷市が生んだ名産のへぎそば
蕎麦にはつなぎを使わない十割蕎麦や小麦粉を加えた二八蕎麦があり、山芋を加えた物も人気がありますが、ふのりを加えて作る蕎麦も存在しています。
新潟県魚沼地方、現在の小千谷市を中心に親しまれている『へぎそば』は、ふのりに由来するのどごしの良さが特徴です。
その名称は剥ぎ木で作られたせいろで提供されていることにちなみ、つなぎのふのりはかつて重要な生産品だったからむし織の糊に利用されていた海藻です。
さら薬味にも特徴があり、一般的なわさびだけでなく辛子が用いられています。
これは魚沼地方でわさびが生産されていなかったことを反映しており、へぎそばには郷土の歴史が詰まっているといえます。
新潟県小千谷市に本店を構える『わたや』は創業100年を迎えた老舗で、昭和40年代には現在の上皇陛下御一家も賞味された名店です。
現在は本店と平沢店の2店舗が展開されており、オンラインショップでの販売も行われています。
店舗では定番に加えて『山海天ぷら盛合せ』やきんぴらを薬味にした『きんぴら大名』が提供されています。
オンラインショップでは贈答品にもなる乾麺や保存しやすい冷凍パックだけでなく、打ちたての生麺も購入可能です。
また、小千谷市で生産された優しい辛みが特徴の青唐辛子『かぐら南蛮』を使った『みどりのラー油』も販売されており、公式ホームページではアレンジレシピも公開されています。
郷土の歴史が詰まったへぎそばを食べるなら、おすすめのお店です。